July 29, 2026

「表現の自由 どこまで?具体例とその限界を探る」

[初出の実例]「内乱に対し露帝が新たに発したる詔勅内容は、露国民に身体の自由、言論の自由、〈略〉並に国会に於て法律案に協賛するの権を与へられたり」 (出典:東京朝日新聞‐明治三八年(1905)一一月二日). 最高裁は、近時、「身体への侵襲を受けない自由」が憲法13条により保障されるとした。この権利を中心に、「身体の自由」について、「個人の尊重」原則に含まれる「存在の保障」と「自律の保障」の両面を軸にして検討する。「身体への侵襲を受けない自由」は、基本的には、自律の保障.

日本国憲法 第18条(にほんこく/にっぽんこくけんぽう だい18じょう)は、日本国憲法の第3章にある条文で、身体的自由権である奴隷的拘束・苦役からの自由について規定している。

条文

日本国憲法- e-Gov法令検索

第十八条
何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。

解説

憲法18条上段の「保障」には「奴隷とならない権利」が含まれる。奴隷とは、人間としての権利・自由を全く否定され法的には家畜と同じように売買や所有権の対象とされる人間のことで、近代では、アメリカ合衆国の黒人奴隷の例が有名である。黒人奴隷制は、ジョージア、アラバマなど南部の州では南北戦争に負けるまで存続した。

南北戦争後の1865年に追加された合衆国憲法修正第13条は、「奴隷または本人の意に反する苦役は、犯罪に対する処罰として、として当事者が有事宣言の場合を除くほか、合衆国内またはその所轄に属するいずれの他にも存在してはならない」と規定している。

第二次世界大戦前でも日本には奴隷制度はなかったが、「娼妓契約」や、「監獄部屋=タコ部屋」のように奴隷的と形容できる拘束はあった。奴隷的拘束とは、「自由な人格者であることと両立しない程度に身体が拘束されている状態」を指し(通説、政府見解)、労働の強制がなくても奴隷的拘束となる場合がある。

憲法18条後段は「犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない」権利を保障する。「その意に反する苦役」とは、三つの考え方がある。

第一は、通常人から見て普通以上に苦痛に感じられるような任務の強制と考える説だ(法学協会編・詿解日本国憲法上,小嶋・概説,野中ほか・憲法Ⅰ[高橋和之執筆])。これに対して第二は、苦痛に感じられるかどうかを問わず、要するに強制労働の意味に理解する説である(芦部・憲法,佐藤幸・憲法など)。最後に第三は、強制労役またはそれに準ずるような隷属状態のうち、奴隷的拘束とまでは言えないものを広く含むとする説である(宮沢・憲法Ⅱ,芦部編・憲法Ⅲ[杉原泰雄執筆])。

憲法18条条文は、奴隷的拘束とは違って「犯罪に因る処罰の場合」の強制労働は認めている。裁判員制度に伴う役務提供義務についても、最高裁が国民の司法参加の制度であるから参政権と同様の意味を持つなどの理由で18条の苦役には当たらないとしている(最大判平成23・11・16刑集65巻8号1285頁)。

国家総動員法に基づいて戦前行われた、軍需工場への生徒の勤労動員のようなものは、18条後段違反である。多数説と政府見解は、徴兵制も18条後段違反とみなしている。

沿革

大日本帝国憲法

東京法律研究会 p.8

第二十條
日本臣民ハ法律ノ定ムル所ニ從ヒ兵役ノ義務ヲ有ス

憲法改正要綱

「憲法改正要綱」、国立国会図書館「日本国憲法の誕生」。


第二十条中ニ「兵役ノ義務」トアルヲ「公益ノ為必要ナル役務ニ服スル義務」ト改ムルコト

GHQ草案

「GHQ草案」、国立国会図書館「日本国憲法の誕生」。

日本語

第十七条
何人モ奴隷、農奴又ハ如何ナル種類ノ奴隷役務ニ服セシメラルルコト無カルヘシ犯罪ノ為ノ処罰ヲ除クノ外本人ノ意思ニ反スル服役ハ之ヲ禁ス

英語

Article XVII.
No person shall be held in enslavement, serfdom or bondage of any kind. Involuntary servitude, except as a punishment for crime, is prohibited.

憲法改正草案要綱

「憲法改正草案要綱」、国立国会図書館「日本国憲法の誕生」。

第十六
何人ト雖モ如何ナル奴隷的役務ニモ服セシメラルルコトナク犯罪ニ因ル処罰ノ場合ヲ除クノ外其ノ意ニ反スル苦役ハ之ヲ禁ズルコト

憲法改正草案

「憲法改正草案」、国立国会図書館「日本国憲法の誕生」。

第十六条
何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。

判例

  • 職業安定法違反被告事件(最高裁判例 昭和33年5月6日)憲法11条、憲法13条、刑法18条
  • 全農林警職法事件(最高裁判例 昭和48年4月25日)憲法28条、憲法21条、憲法31条
  • 判決取消請求事件(行政裁判例 平成元年4月27日)
  • 覚せい剤取締法違反,関税法違反被告事件(最高裁判例 平成23年11月16日)
  • 各損害賠償事件(最高裁判例 平成9年3月13日)

参考文献

  • 東京法律研究会『大日本六法全書』明治39年、井上一書堂、1906年。 
  • 野畑健太郎・東裕『憲法学事始(第2版)』一学舎、2017年4月15日、98-99頁。 
  • 渋谷秀樹・赤坂正造『憲法Ⅰ人権』(8版)有斐閣アルマ、2000年、21-24頁。 

関連条文

  • 日本国憲法第9条
  • 日本国憲法第22条
  • 日本国憲法第27条第3項
  • 日本国憲法第36条
  • 刑法第220条
  • 刑法第224~229条
  • 労働基準法第5条
  • 職業安定法第63条 – 労働新聞社

脚注

関連項目

  • 裁判員制度(憲法18条に違反するとの意見がある)
  • 徴農
  • 強制労働
  • 動員
  • 徴兵制度
  • 世界人権宣言
  • 不法滞在


身体障がい(肢体不自由・内部障がい)の特徴と職場でできる配慮とは?(シリーズ連載:ケース別配慮のポイント) 人事のプロを支援するHRプロ

身体障がい(肢体不自由・内部障がい)の特徴と職場でできる配慮とは?(シリーズ連載:ケース別配慮のポイント) 人事のプロを支援するHRプロ


「表現の自由 どこまで?具体例とその限界を探る」

「表現の自由 どこまで?具体例とその限界を探る」


参加自由とは, 自主参加と自由参加の違い QGBRJR

参加自由とは, 自主参加と自由参加の違い QGBRJR


憲法条文解説 憲法第36条 公務員による拷問及び残虐 まほろば社会科研究室

憲法条文解説 憲法第36条 公務員による拷問及び残虐 まほろば社会科研究室


身体障害者手帳の等級一覧│基準や違い、等級別のサポートを解説 障がい者雇用支援サービス コルディアーレ農園 株式会社JSH

身体障害者手帳の等級一覧│基準や違い、等級別のサポートを解説 障がい者雇用支援サービス コルディアーレ農園 株式会社JSH


運動・身体活動の

運動・身体活動の”ちょい足し”のポイント:最近のガイドラインを踏まえて|地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所


本当の自由を構成する4つの要素~身体の自由~

本当の自由を構成する4つの要素~身体の自由~


身体活動 知識の書庫

身体活動 知識の書庫


肢体不自由児のムーブメント活動を掘り下げる②|授業づくり 教科書・教材サイト

肢体不自由児のムーブメント活動を掘り下げる②|授業づくり 教科書・教材サイト


憲法をわかりやすく 第11章 人身の自由 一、基本原則

憲法をわかりやすく 第11章 人身の自由 一、基本原則


精神の自由とは?具体例を通じて考える

精神の自由とは?具体例を通じて考える


自由意味, 自由とは何か OHEUOY

自由意味, 自由とは何か OHEUOY


憲法をわかりやすく 第11章 人身の自由 一、基本原則

憲法をわかりやすく 第11章 人身の自由 一、基本原則


【Wordひな形あり】身体抑制(身体拘束)の三原則とは:具体例や対応方法を徹底解説 大阪 くまくま相談事務所

【Wordひな形あり】身体抑制(身体拘束)の三原則とは:具体例や対応方法を徹底解説 大阪 くまくま相談事務所


身体的自由とは? 【人生に芯を立てる】立芯ブログ

身体的自由とは? 【人生に芯を立てる】立芯ブログ


身体的自由とは?初心者向けにわかりやすく解説する基本ガイド共起語・同意語・対義語も併せて解説!

身体的自由とは?初心者向けにわかりやすく解説する基本ガイド共起語・同意語・対義語も併せて解説!


体の部分名称

体の部分名称


【肢体不自由】身体の動き(自立活動)の学習に関わる5つの考え方【目標設定のポイント】 学校DX化でわくわくをサポート

【肢体不自由】身体の動き(自立活動)の学習に関わる5つの考え方【目標設定のポイント】 学校DX化でわくわくをサポート


身体の自由度が人生の自由度を決める|大島明恵

身体の自由度が人生の自由度を決める|大島明恵


体の部位 Labelled diagram

体の部位 Labelled diagram

そこで本稿では、憲法上保障される身体の自由とは何かを考える。まず、身体の自由の歴史的展開を概観する。ところが、仮にこの自由に自己決定的要素が含まれうるとしても、その関係を解き明かすのは容易ではない。0. 身体の自由 (生命・身体の自由) ・正当な理由なく自分の身体を他者から拘束されない権利 ①奴隷的拘束・苦役からの自由 (憲18条) ・犯罪により処罰される場合を除き、いかなる苦役も受けない ⇒憲18条 条文 「何人も、いかなる 奴隷的拘束 も受けない。又、 犯罪 に因る 処罰 の場合を.